2013年12月定例会 青木永六議員の一般質問
JUGEMテーマ:共産党(日本共産党)
1.伊方原発再稼働中止を求めるべき
それでは、2日目のトップバッターを共産党の青木永六が務めさせていただきます。
時間がございませんので、早速通告に従い質問に入ります。
最初に、今回の秘密保護法の問題について一言申し上げたいと思います。
これは日本国憲法の3大原則である国民主権、基本的人権、平和主義を揺るがす違憲立法であり、強行後の共同通信世論調査でも、修正、廃止を求める声は82.3%。このように法律への不安を感じる人は70.8%とたくさんおいでますし、改めて法律の異常さが示されており、引き続き悪法を廃止するまで広範な皆さんと奮闘することを表明して質問に入ります。
最初に、伊方原発の再稼働中止を求めるべきという問題についてです。
制御できない放射能の汚染水問題は、いよいよ深刻で、去る12月3日には福島第一原発の1号機から4号機の海側観測井戸地下水から全ベータであるストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質が1リットル当たり過去最高の130ベクレルと報道され、深刻の度を深めています。
日本共産党は、超党派で汚染水問題の危機打開に専門家の英知を結集する場を国会に提案することを表明するなど、危機打開への努力と原発ゼロ社会実現に奮闘をしています。
7月施行の新規制基準に基づく原子力規制委員会の安全審査では、伊方原発3号機がトップを走っていると言われているように、早期の再稼働が狙われています。
このような中、去る12月1日、県内を中心に全国から8,000人が松山に結集をし、四国最大規模の集会、デモ行進などで伊方原発再稼働反対を訴えました。
大阪府立大学の長沢啓行名誉教授は、国の新規制基準では、設計基準事故を単一故障にとどめ、地震による同時多重事故を想定外としている点などで、揺れが大きかった2008年の岩手・宮城内陸地震規模の地震が伊方で起きれば原発はもたないと、再稼働の危険性を改めて訴えています。
安倍内閣は、このような情勢下に、原発の輸出と再稼働に前のめりで進める姿勢ですが、恩師の小泉元総理が原発即時ゼロを唱え、中堅以下の議員らから極めて真っ当な意見だと歓迎をされ、党内は百家争鳴の状態などとの報道にもあるように、正当な国民世論が社会全体を包囲してきています。
伊方原発再稼働に大きな発言力を持つ中村知事は、1、国の方針、2、四電の姿勢、3、地元の意見が出そろっていないことでニュートラルの立場を主張しているとのことでありますが、極めて曖昧であります。
そこで、長く県政にかかわり、伊方原発に何回となく視察にも訪れ、設備の老朽化なども確認をしている篠原市長より、中村県知事と四国電力に再稼働中止の申し入れをしていただくことを求めるものであります。
2.教育問題について
(1)道徳重視の「宇摩の子の誓い」について
2番目の教育問題についてであります。
その一つは、道徳重視の宇摩の子の誓いについてです。愛媛新聞報道で知らされたわけですが、これは2004年に設置をした市長、教育長をトップにPTAや愛護班、社会福祉や教育関係機関などの代表で構成する子どもを育てる市民会議が、市内の小中学生を対象にした市独自の教育指標案です。現在の案は、1番目に私がします。具体的には、ごみを拾います。人の助けになることをします。2番目は、礼儀を正します。具体的には、気持ちのよい挨拶をします。言葉遣いを正します。3番目は、親やお年寄りを敬います。4番目は、ひきょうなことはしません。5番目は、優しい子になります。6番目には、強い子になります。この6つの柱で、最後に、ふるさとを誇りに思い、夢に向かって頑張りますとなっています。これを教室に額装掲示して子どもたちに暗唱させるなどの案も出ているとのこと。
今権力者に都合のよい全般的教育改革が進められようとしているとき、その一つであるモラルや道徳を端緒に愛国心のすり込みが問題になっているわけですが、この案が子どもたちに強制されるようなことになりますと、1つは子どもの権利条約に保障された意見を表明する権利や表現の自由の権利に抵触し、思想、良心の自由を侵すおそれがあると言わなければなりません。
いま一つは、道徳や日本古来の価値観重視でなく、平和憲法に基づく倫理観や社会観などを身につけ、子どもたちが現代を生き抜く教育の重視をという問題についてであります。
報道によりますと、野村教育長は憂慮すべき青少年の現状があり、人間としての正しさや守らなければならない道徳などを教える必要がある。市民総ぐるみの運動にし、失われつつある日本古来の価値観を取り戻したいと発言しています。
子ども間の陰湿ないじめやキレる子どもたち、非行、不登校、落ちこぼれなど、子どもたちの一部にこのような憂慮すべき現状があるのは事実ですが、この原因は一体何なんでしょうか。
かつての学歴社会は幕を閉じ、ふえる一方の非正規社員や不安定な雇用環境、広がる格差社会、徹底した競争主義や金もうけ主義が横行をし、企業や政治家など社会全体のモラルハザードのひどさ、身近に氾濫する情報を手に入れられるIT文化など、子どもを取り巻く社会環境は余りにひどく、成長する子どもたちに大きな影響を与えています。
このような環境からの影響もあり、一部に見られる子どもたちの憂慮すべき現状を正すのに、道徳や日本古来の価値観の押しつけでは、子どもたちを誤った方向に導きかねず、私は改正前の教育基本法第1条の、教育は人格の形成を目指し、平和的な国家及び社会の形成者として真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に満ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならない、この精神に基づいた教育を進めるべきであると確信をいたします。
(2)教育行政の権限を首長に移す教育改革について
2つ目の問題は、教育行政の権限を首長に移す教育改革についてであります。
安倍政権は、教育の仕組みを憲法改正をにらんだ仕組みに変えようと躍起になっています。11月27日教育委員会制度改革を議論している中央教育審議会教育制度分科会で、地方教育行政の最終権限を教育委員会から首長に移行し、首長を執行機関とする答申案の素案が示され、教育の政治的中立性が損なわれるとの異論が噴出をしています。
現在の教育委員会制度をめぐっては、各界からさまざまな議論が出されていますが、このような教育の政治的支配に通じる教育改革には異を唱えるべきだと考えますが、教育委員会の見解を伺います。
(3)全国学力テストの学校別成績の公表はすべきでない。について
3つ目に、全国学力テストの学校別成績の公表はすべきでないについてであります。
文部科学省は、11月29日、小学6年生と中学3年生が対象の全国学力テストについて、これまで禁じてきた市町村教育委員会による学校別の成績公表を来年度から認めることを発表し、教育関係者から慎重な判断を求める意見や競争過熱を懸念し反対の声が上がっています。
そこで、1つは学力テストは役に立っているのかについてですが、文部科学省は学力の現状把握などと言っていますが、結論的に学校は高得点を目指すことになり、そのための模擬練習や対策の授業に力を割かれ、肝心のわかる力がおろそかになることや、採点やデータ処理を民間丸投げで、3,000人の採点員の多くは、あのコムスンの元社長が率いる人材派遣会社であったりして、採点スタッフからも余りにいいかげん、結果を信用できないといった声が出るほどのようであります。
完全否定はしませんが、結果を生かすどのような取り組みができていますか。現場は忙し過ぎてそのようなことにはなっていないのではないでしょうか。
また、公表については、教育委員会は国の考えを精査し、協議するとしていますが、これまでの公表しない方針を撤回し、公表解禁を地元に委ねる国の方針が出たことで、公表に踏み切るのかどうかお尋ねをいたします。
3.住宅リフォーム助成制度予算大幅増額で地域の活性化を
3番目の質問は、住宅リフォーム助成制度予算の大幅増額で地域の活性化についてであります。
安倍内閣が消費税増税を決定した8月のサラリーマン世帯の実質の収入は、物価上昇などを考慮すると前年比0.9%の減少などに見られますように、庶民はアベノミクスの恩恵などは全くなく、不安増幅ミクス、地域経済の先行きも心配されるところであります。
リフォーム助成制度の問題ですが、昨年の予算は500万円で、全体工事費8,285万4,000円、17倍の経済効果であります。ことしは1,000万円の予算で全体工事費1億8,672万8,000円で18倍以上の経済効果が上がっており、まさに地域経済活性化の切り札としての効果が実証されています。
同時に、発注者の方はリフォームできれいになったと喜び、工事業者は仕事ができたことで喜んでいただき、関係職員もそれぞれで喜ばれることから、職員冥利に尽きるとの声も聞かれてまいります。
今、来年の消費税増税による駆け込み需要で多少にぎわっているようでありますが、来年4月以降の冷え込みが恐ろしいと言われています。そのような状況を打開のために、5,000万円を超える予算で消費税増税後にさらに冷える地域経済の活性化に取り組んでほしい。
同時に、3年の時限立法ということになっているわけですが、来年以降も引き続いてこのすぐれた活性化策を続けるべきと考えます。見解を伺いたいと思います。
4.デマンドタクシー事業の見直しを
4番目の質問は、デマンドタクシー事業の見直しについてであります。
平成22年4月から市内全域運行を開始して既に4年近くになるわけですが、開始以来の利用者は、ほぼ1日平均100人ということですから、現行制度としては定着したと思われます。
今日では交通弱者の身近な公共交通として一翼を担う役割を果たしているわけですが、エリアごとの乗りかえとエリアごとに400円の料金負担、所要時間との効率性などの問題も抱えています。
質問の一つは、平成24年12月三好 平議員の質問で、利便性向上への見直し検討を表明されています。その後どのように進んでおりますでしょうか。
2つ目は、エリアごとの乗りかえは別として、せめて料金400円で運行エリアを越えられる見直しを求めたいと思います。
5.中田井浄水場更新整備・運営事業の入札不調問題について
5番目の質問は、中田井浄水場更新整備・運営事業の入札不調問題についてであります。
御案内のように、本事業は入札参加者がいないため入札中止となりました。1日最大給水量4万トンへの対応、自然流下方式の採用、防災力の強化を掲げて、5カ年で浄水場の構築物や機械、電気設備について、現在敷地での給水事業を続けながら新設、増設、撤去、更新の整備を実施し、運営を含めた契約期間はほぼ20年間の平成46年3月までで、予定価格は117億4,000万円で、長期にわたる大事業であります。
今回の方式はDBO方式ということで、施設の設計、建設、維持管理、運営などの業務は民間事業者のノウハウを活用し、資金調達は当市で行うというものですが、新しい方式で検証されていないという大きい問題もございます。
そこで、1つは入札不調の原因をどう考えておられるのか。
さらに、事業の分割や時期の先送りも含めた抜本的な見直しが求められているのではないでしょうか。お尋ねをしたいと思います。
以上、私の第1回目の質問を終わります。わかりやすい答弁をよろしくお願いをいたします。
理事者の答弁
市長答弁
1.伊方原発再稼働中止を求めるべき
・篠原市長より中村県知事と四国電力に再稼働中止の申し入れを求める
3.住宅リフォーム助成制度予算大幅増額で地域の活性化を
(1)5000万円を超える予算で、消費税増税後にさらに冷える地域経済の活性化を
答弁に入る前に、きのうこの場において論議のありました路線バスのことについてちょっと触れておきます。
ちょうどいい機会だと思いまして、川之江の保健センター前の7時58分発のせとうちバスに乗ってきょう出勤してまいりました。上分、妻鳥、上柏通りまして市役所前まで約20分でありました。1人ぐらい乗っとんかなと思いよったんですけど、最後まで私一人でありました。運転手さんの横に座っていつも御苦労じゃなと声かけようと思ったんですが、運転手さんはなれているのか、その孤独そうな雰囲気に圧倒されて、私でさえちょっとしゃべるのをためらったと、そんな状況でありました。ぜひ皆さん方も時刻表をよく見て機会があればぜひ乗ってみてください。よろしくお願い申し上げて答弁に入らせていただきます。
質問項目1の知事に伊方原発の再稼働中止を求めるべきだということに対して答弁いたします。
議員御指摘のとおり、県議会議員をしておるときに議会側の特別委員会の委員長も3年してまいりました。実質は2年と少しですけれども、やってまいりました。知事の考えもよくわかっておりますし、国が民主党の政権から自由民主党と公明党との連立政権にかわっていろんな状況変化がありまして、時々余りにも対応策が国においてころころと変わるもんですから、相当私自身もいら立ったことはありますけれども、今現在は、議員も御指摘のとおり、知事は国の規制庁の規制委員会の安全確認、四電の安全対策、そして地元の議会、町長、その人方の意向、3つをクリアしなければならないと。これは中村知事も最初から首尾一貫した姿勢であります。一度も3年間変わったことがありません。
私は今こういう立場ですから、原子力発電所の是非についてこの場で論議するつもりはありませんし、もうその立場にはないというふうに思っておりますけれども、そんな状況の中で、私のほうから中村知事のほうに四電の再稼働中止を申し入れと言われても、する気はありません。そのことだけははっきりと申し上げときます。
質問項目3番の住宅リフォーム助成制度予算の大幅増額で地域の活性化をという5,000万円という数字を提示されて質問でありますけど、この件について答弁させていただきます。
今の社会は、もう10年前から比べまして個人の市民の居住環境は大きく変わってまいりました。また、消費の動向も、我がまちの通りに進出している中型・大型店の様子を見るだけでも、消費形態も大変変化してまいりました。
昨年から住宅のリフォーム事業をやってまいりました。これは青木永六議員も御案内のとおり、補助金を交付して市民の皆様方の住宅の改良に少しでもお役に立ちたいということと、それから派生する地域経済あるいは零細規模の建築屋さん、それに伴う設備の業者の皆さん、左官さんや塗装屋さん、そうした経済の波及効果も含めて政策として推進してまいりました。
昨年度は500万円の予算に対し57件の交付決定を行い、今申し上げましたような全体の事業費が8,540万円強と相なりました。これは工事の請負契約の総額であります。約17.3倍の経済効果ということが言えます。
本年度は2倍の予算額1,000万円を計上し、年度当初からパンフレットやポスター掲示による周知徹底を図り、本市のホームページにおいても事業内容を掲載した後、本年6月3日から受け付け募集を開始いたしましたが、約1カ月程度で予算額に達し、今年度の受け付けは終了させていただきました。
既に112件の申請者に補助交付決定通知をいたしております。今現在の状況を申し上げれば、工事が完成し、完了実績報告書をいただいたものから建築技師職員が順次現場を検査、確認し、確定通知報告とともに個人の預金口座に補助金交付を行っているところでございます。
先ほどの112件の内容内訳を分析したところ、地域別に見ますと、川之江地域が55件、伊予三島地域が41件、土居地域が16件となっており、工事契約業者は市内の54業者に発注され、その内訳は、川之江と伊予三島地域は同数の22業者、土居地域は10業者でございました。
先ほども申し上げましたとおり、中小企業、零細の建設業者から塗装、電気、水道関連の設備業者の発注にもたくさん業者の数が及んでおります。
主なリフォーム内容は、トイレ内の給排水設備の機器改修工事、台所のシステムキッチン、IH機器などの設備機器、そうした水回りに関するリフォームが多く占め、昨年同様に住宅の外壁、屋根の改修、屋上の防水工事など、さまざまなリフォーム内容となっております。
私の家にも、壁を直さんか、ペンキ塗りかえんか、屋根を張りかえんかといって業者の皆さん方がよく来られます。家内と言うんですけど、うちの家は外から見たらそんなにぼろに見えるんかのうと。しみじみ見ますと、言われてもしょうがないかなというような状態であります。
住みなれた住まいがより長くより快適で安全に暮らす願いが実現し、市民にとってはこの住宅リフォーム等補助事業を利用することで、あわせて地域経済の活性化も図り、市民の居住環境が向上され、事業の目的は果たしていってると、そのように思っております。
以上のことから、本年度はまだ金額の最終確定はしておりませんが、市の補助金額1,000万円に対し、全体工事契約額が約1億8,800万円にも上昇し、リフォームの工事費投資によって18.8倍以上の経済効果が市内に広がり、主に中小・零細の建築業者さんにとっても一定の恩恵になったんじゃないかと、そのように思っております。
先日四国財務局から4月以降の景気動向について総務部長と融資課長が私のところに見えられました。いろんな議論はあったんですけれども、私のほうから、経済の波及効果からして保証協会の保証枠の弾力的運用と住宅リフォームの補助事業に政府として市、町に対して積極的な支援が有効かつ効果的であると、そのように申し上げ、ぜひ消費税がアップされる4月以降、底辺を支える景気対策として関係各省庁に四国の財務局から上げてほしいと、そういうお願いもしておきました。
なお、来年度平成26年度は、3カ年事業でありますから最終年にはなりますが、青木永六議員御指摘の5,000万円を超える予算でやれるかどうかわかりませんですけれども、庁内の関係部署とも協議いたしまして、また市内の状況判断、そして業者さんの手持ちの工事物件、さまざまな角度からよく検討して、どうするのが少しでも市民の皆様方にプラスになっていくのか、その角度から検討を加えてまいりたいと思っております。
青木永六議員の御指摘どおりに沿えるかどうかはわかりませんですけれども、そういう考えのもとにこの事業は推進していく。また、平成27年度以降どうするのかということも含めまして、庁内の部署ともよく検討をして結論を出していきたいと思っておりますので、御理解賜りますようによろしくお願い申し上げます。
以下、関係部署から答弁させますので、よろしくお願い申し上げます。
教育長答弁
2.教育問題について
(1)道徳重視の宇摩の子の誓いについて
・子どもの権利条約に抵触し、思想・良心の自由を侵す恐れあり。道徳や日本古来の価値観重視でなく、平和憲法に基づく倫理観や社会観などを身につけ、子ども達が現代を生き抜く教育の重視を
(2)教育行政の権限を首長に移す教育改革について
・教育の政治支配に通じる教育改革には異を唱えるべき
(3)全国学力テストの学校別成績の公表はすべきではない
・学力テストは役に立っているのか
・公表解禁の国の方針に従うのか
青木永六議員の御質問にお答えする前に、せんだっての愛媛新聞の報道について、宇摩の子の誓いについて論議を呼ぶ、大きな見出しでした。そして、3人の反対者の意見が載っていました。賛成者の意見は一つもありませんでした。
あの報道を受けまして、市内はもとより県下どこからも1件の苦情もなかったことを御報告申し上げます。
それでは、質問項目2の(1)道徳重視の宇摩の子の誓いについてお答えいたします。
まず、子どもの権利条約に抵触し、思想、良心の自由を侵すおそれがあるとの御質問についてでございますが、発達段階の未熟な子どもたちにとって、望ましい価値観を身につけることは、教育の重要な使命でありまして、思想や良心を侵すことではないと考えております。
次に、道徳や日本古来の価値観重視ではなく、平和憲法に基づく倫理観や社会観などを身につけ、子どもたちが現代を生き抜く教育の重視をとの御質問についてお答えいたします。
教育基本法は当然憲法の精神を受けているわけでございまして、その第2条第5項には、伝統と文化を尊重し、それらを育んできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うことと、そのようにあります。
それを受けまして本市の教育基本方針も、国の形は人の心の形である。その形をつくるのが教育であるという理念のもとに、日本人が大切にしてきた心、いわゆる精神文化を次世代を担う子どもたちに引き続き、青少年に望ましい心の形をつくる教育を推進したいと考えておりますので、御理解、御協力のほどよろしくお願い申し上げます。
次に、質問項目2の(2)教育行政の権限を首長に移す教育改革についてお答えいたします。
今後の地方教育制度のあり方に関しましては、これまで多くの識者がさまざまな場所で論を闘わせ、国の中央教育審議会においても、教育長を首長の補助機関とするとともに教育委員会を首長の附属機関とする案と、教育長を引き続き教育委員会の補助機関とするとともに教育委員会の性格を改めた執行機関に改革する案というような2つの案を中心に幾度となく論議されていることにつきましては、議員御承知のとおりでございます。
当市教育委員会におきましても、定例教育委員会の中でこの審議会の動向や全国市町村教育委員会連合会の意見書等を題材に論議されており、今後とも国の動向を十分に見守ることとしているところでございます。
このような中、私といたしましては、先ほど申し上げた教育委員会連合会の意見書にもございますとおり、教育の政治的中立、継続性、安定性の確保が何より重要であると考えており、無論現行の制度にも矛盾点、改善すべき点がございますものの、基本的には現行制度の維持も選択肢に加え、御議論いただきたいと考えているところでございます。
換言すれば、地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正するなど、現状に合うようにそれぞれの責任や権限を明確にする必要を感じているのは事実でございますが、教育委員会制度の形骸化、責任の所在、首長との連携、危機管理など、もろもろの課題を解決できるよう努力しつつ、社会情勢に合った教育行政を進めることは現状十分可能ではないかと認識しているところでございます。
その上で新しい教育委員会のあり方が今の教育委員会制度とどのように違ってくるのか、政治的中立性がどのように担保されるのかを注意深く見きわめたいと考えているところでございます。
今後、中央教育審議会におきましては、全国市長会、全国知事会を初め、各関係団体からの提出資料に基づいた検討が深まると、そのように思っておりますが、いずれにいたしましても、全国にある規模や財政事情が異なる全ての自治体において質の高い教育の実現が保障され、また社会構造の変化にも柔軟に対応できる教育制度の設計が図られることを大いに期待しているところでございますので、御理解いただきますようお願い申し上げます。
続きまして、質問項目2、教育問題についての(3)全国学力テストの学校別公表はすべきではないについてお答えいたします。
学力テストは役に立っているのかという質問にお答えいたします。
全国学力・学習状況調査につきましては、小学校では6年生に国語と算数、中学校では3年生に国語と数学を実施しています。
実施により、知識、技能等や活用力など児童生徒の学力状況を把握しています。児童生徒には、個人の状況を把握し、自己の学力向上に向けアドバイスを行い、学力の向上に役立てています。
また、教職員は自校の児童生徒の傾向を分析し、授業や指導方法の改善等に生かしております。
自校の児童生徒の状況分析と対策には、学校組織を挙げて取り組む必要があり、時間と労力を必要としますが、児童生徒の生きる力の基礎力として、また夢をかなえるための将来の進路選択の幅の拡大に向け、教職員一丸となって取り組んでおります。
2点目の公表に関しましては、私は前回の文部科学省の通達が正しいと思っております。今度出されました文部科学省の通知には、大変驚きました。文部科学省自身の基軸がぶれていることが今日の問題を引き起こしているわけでございまして、何のための学力テストであるか、そのようなことに立脚してメリット、デメリットを精査し、教育委員会で十分な審議を尽くし、決定したいと考えておりますので、御理解賜りますようお願い申し上げまして私の答弁といたします。
総務部長答弁
4.デマンドタクシー事業の見直しを
・平成24年12月三好平議員質問後の検討は進んでいるか
・料金400円で運行エリアを超えられる見直しを
先ほど市長が早速路線バスに乗ったと申しておりました。少し責任を感じておるんですけども、私は乗っていないことをお伝えして答弁に入りたいと思います。
私からは、質問項目4のデマンドタクシー事業の見直しについてお答えいたします。
当市のデマンドタクシーは、一般タクシーに準じた利便性と路線バスの乗り合い、低料金双方の特徴を兼ね備えた事前登録制、予約型、そしてエリア運行を基本とする公共交通機関として平成22年4月に市内全域運行を開始いたしましたことは議員御案内のとおりでございます。
これまでの3年余の利用実績を申し上げますと、11月末現在で登録者5,283人、延べ利用者9万1,582人、1日当たりに換算いたしますと、御質問にもありましたように、100人余でございまして、この実績は市民の皆様の貴重な移動手段として広く利用されていることを如実に物語っておると思っております。
さきに実施いたしましたアンケート調査によりますと、実に8割を超える利用者の皆さんから満足との回答が寄せられておりまして、特に高齢者の方には身近に利用できる移動手段として一定の評価をいただいているところでございます。
400円でエリアを越えられる見直しをとの御指摘でございますが、この運行エリアは効率性を最大限に考慮して、片道の送迎時間をおおむね30分、1時間に1便の定期運行が可能となるように設定いたしております。仮にこのエリアの枠を取り除いて運行いたしますと、定時運行が困難となり、効率性や利便性が損なわれるばかりでなく、大幅な運行経費の増が見込まれることは自明でありますし、また一般のタクシーや路線バスとの兼ね合いも懸念されるところでございます。
当市の公共交通網は、デマンドタクシーが利用者の要望に応じてエリア内を走行するフィーダー系、いわゆる幹線系に接続する移動手段として、また路線バスや鉄道は市内の幹線系の移動手段として、それぞれの特性を生かしながら、また相互に補完し合いながら形成されております。
これまでにも議員御指摘の運行エリアやまた乗り継ぎ料金の見直しにつきましては、費用対効果を主眼として検討してまいりましたけれども、結論が出るまでには至っておりません。
しかしながら、先ほど申し上げたアンケートの回答には、少数ではあるものの、議員御指摘のような御要望も寄せられていることも事実でございます。
こうした利用者の皆さんの切実な声を真摯に受けとめて、引き続いて調査検討してまいりたいと考えております。
いずれにいたしましても、デマンドタクシーは市民の皆さんの貴重な交通手段でありますことから、路線バスや鉄道との有機的な当市の公共交通ネットワークの形成にその一翼を担うとともに、より効率的で利便性の高い運行体制を構築できるよう取り組んでまいりたいと考えておりますので、御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。
水道局長答弁
5.中田井浄水場等更新整備・運営事業の入札不調問題について
・入札不調の原因をどう考えるのか
・事業の抜本的見直しが求められているのではないか
私からは、質問項目5の中田井浄水場等更新整備運営事業の入札不調問題についての質問にお答えをいたします。
中田井浄水場は、昭和42年に完成し、その後需要増に対応するため、昭和57年から沈殿・ろ過池、管理本館の築造などの工事を実施し、平成7年に現在の形になっております。
平成23年に老朽化に起因する故障が多発したことにより、抜本的に施設を改修する計画を作成し、今年度、設計、建設、維持管理を一括して発注するDBO方式による入札手続を進めてまいりました。
この入札には、事前に設計、建設、維持管理の複数企業で構成する1グループからの参加申し込みがありましたが、入札日の11月21日に辞退届が提出され、入札参加者がいなくなったことにより入札を中止いたしました。
辞退の理由は、建設資材、人件費、ユーティリティー費の急激な上昇に伴い、見積金額が予定価格を上回ったためということであります。
中田井浄水場は昭和39年の建設着工から46年以上経過した施設が半数を占めており、現在では老朽化や耐震性能不足などの問題を抱えております。
良質で安定した水の供給に支障を来さないように、早い時期の事業実施が必要であると考えております。
現在、価格以外の入札条件なども含めて、入札を辞退した原因や入札参加の申し込みが1グループになった原因について調査中であり、その結果を踏まえて今後の方向性を決定いたしたいと考えておりますので、御理解を賜りますようよろしくお願いを申し上げます。
青木永六議員の再質問
一通り答弁いただいたんですけども、まず市長にお尋ねします。
原発再稼働の問題ですけれども、中村知事にはもう話をする気はないという明快な答弁をいただいたんですけども、長いつき合いでございますので気持ちもわかるんですけれども、ここで伊方原発の再稼働についての市長自身のお考えをお聞かせいただいたらと、このように思います。
リフォームの問題については、今答弁の中で、4月以降の経済動向について保証協会の弾力運用であるとか、住宅リフォームも含めまして補助の要請をされたということで、非常にタイムリーな基本的な考え方だというふうに思っています。ぜひひとつ前向きな御検討をいただきたいなと思います。
それから、教育長の答弁についてでございますが、例の愛媛新聞報道で宇摩の子の誓いについては、何らの反対とか意見がなかった、聞こえなかったと。皆さん遠慮されたんではないかなと、このように思うわけですけれども、それでかねてから教育長の持論でございます伝統的な精神文化を伝えていきたいということをたびたび聞くわけです。それでこの伝統的な精神文化の中身の問題ですけれども、この愛媛新聞報道では、教育長言うように、守るべき道徳、日本古来の価値観というふうになっておるわけですけれども、こういうことを聞きますと、私たちは戦前の皇国史観的な、あるいは教育勅語的な価値観へ話が結びついていくというふうに思うわけです。
ここで私たちの意見は、教育長も冒頭に申されましたけれども、やっぱり今のこの平和憲法、さらには教育基本法の前文とか第1条に非常に明確に書かれております。新しい文化の問題、倫理観、社会観、この平和憲法や教育基本法に基づくそういう子どもたちに身につくようなことを教育の現場では努めていただかないかんと思うんですけども、そういう点で今申し上げました日本古来の価値観というのはいかがなものかというふうに思っているわけですけども、その点についての教育長の再度お考えをいただきたいと思うんです。
それから、水道行政の問題ですけども、予定価格を上回ったということなんですが、今回の民間委託化は、1つはやっぱり中に将来10年、20年先の事業継続をやっていく技術者、人的資源が非常に枯渇してきておるというところが1つ背景事情になっているというふうに考えておるわけですけども、そういうところからメーカーに足元を見られかねない状況があるのではないかというふうに思っています。
今後の方向性をよく調査して決めるということですけども、これには抜本的な見直しも入るのかということをお尋ねしたいと思います。
理事者の再答弁
市長答弁
主に四電の伊方の3号機の再稼働について議論が集中しますが、私の個人の思いというのは、もうこういう身分になりますと申し上げるべきではないと思っておりますけれども、それゆえに基本的な考え方は、県、伊方町、そして県議会、伊方の町議会、国の規制庁規制委員会、その方々にお任せしてその動向を見守っていきたいというのが私の姿勢であります。どうぞよろしくお願いいたします。
教育長答弁
日本古来の精神文化ということなんですけれども、やっぱり私たちは東日本大震災のときの日本人が見せたあの礼儀正しさ、秩序の正しさ、そしてああいう状況の中でも人々が本当に助け合ったきずな、輪、そういうものが古来の伝統的なものを引き継いで世界を驚かせているということなんですよね。
私は、日本人はやっぱり教育勅語というと議員さん非常に目をつり上げたものですけれども、教育勅語は欽定憲法下のものでありまして、今日にはそれは通用しないと思うんです。
でも、これは昭和23年に国会で排除されました。しかしながら、教育勅語の12の徳目は、これはキリスト教、イスラム教を裁くのと同じであって、それは裁けないとある。12の徳目には天皇にかかわる皇国史観はございません。人間の生きるべき姿を残しているわけです。そういう中で日本人は育ってきて、武士道と相まって、武士道というと非常に封建的に思われますが、新渡戸稲造が日本には宗教がないとヨーロッパで言われたときに、日本には武士道があるんだと。武士道とは礼、義、知、忘れましたが7項目あります。そのようなものの中で、極論すれば人間が人間として当たり前に美しく生きる生き方に集約されると思うんです。
ですから、決して封建的なものではなく、戦前までは日本人は武士道と教育勅語で育ってきたのは間違いございません。
台湾の前総統の李登輝は、日本の修身のおかげで私は身を修めることができたと語っているように、日本人が大事にしてきた徳目というのは、あの教育勅語の中にもあり、武士道にもあり、そういうものが戦前までは日本人の倫理観だったわけです。
ですから、時代が違うんですが、その当時は欽定憲法下だった。今はそうではない。しかしながら、日本人が大切にした心は引き継いでいかないかんと思うんです。これは日本人の大事にしてきたものであって、外国のものを取り入れというんじゃなくして、日本人が大切にしたものが世界に誇れるものとしてのアイデンティティーを日本人はしっかりと持たんといかん。それをしっかりと私は子どもたちに植えつけんといかんと思います。
先ほど抜本的な見直しを行うのかということの御質問が最後に大きくあったと思うんですけども、抜本的な見直しというのは時期的なものとか発注方式、入札方式、それと金額というふうなことが大きな部分だろうというふうに考えるんですけども、時期的には、先ほどの答弁でも申しましたとおり、やはり老朽化が進んでおるということで、ここで一歩立ちどまるということは必要ですけども、長くとまって考えるという時間はなかなかないのじゃないかなというふうに考えておりまして、できるだけ早い時期に結論を出していきたいというふうに考えております。
それと、発注方式につきましては、現在DBO方式ということを取り入れておりますけども、これも全て見直しの対象になるというふうには考えております。
ただし、現在でも私としてはこれはこの一日もとめられない、また敷地内で稼働しながら更新を行っていくということを考えたときには、やはり分割発注方式であれば責任問題とか、その部分の中で心配な部分があるということで、今のところではDBO方式がすぐれているという認識は持っておりますけども、これも一応全て見直しというか洗い直しはしていくということで考えております。
入札方式につきましても、これはどの方式がいいのかという部分での考えというのは、やはり洗い直していくことは必要と考えております。
金額につきましては、できるだけ今の予算金額をオーバーしないような形で、どういうふうにしたら事業実施に持っていけるのかということを今本当に検討いたしておりますので、いましばらく時間をいただきたいというふうに考えております。
青木永六議員の再々質問
教育長だけにお尋ねします。
ちょっと先ほど言い忘れたんですけども、子どもの権利条約との関係はどのようにお考えでしょうか。これが1つと、それでもう一つ、しつこいようですけども戦前の精神文化なんですけども、やっぱり戦後の教育というのは、教育長も言う今の平和憲法それから教育基本法前文とか第1条にある、そういうところから戦後の精神文化をつくっていこうという。基本的な視点はそういう視点が必要だと思うし、そういう中で(質問時間終了の合図)本当に教育長の言う大事なことは子どもたちに教育していくという、そういう視点が必要なんじゃないかというふうに思うんですけど。
理事者の再々答弁
教育長答弁
平和憲法に基づくということをしつこいようですが、改定された教育基本法も憲法に基づいているわけでございますから、その中でやっぱり日本古来の伝統文化というようなことを大事にするということがはっきりうたわれております。
ですから、現憲法の中で戦後の教育を受けたときに、余りにも個人主義の教育に陥り過ぎて公的なものがなくて、自己中心的なものになったと思うんです。だから、周りの人、公的なものを意識したいわゆる封建的なそういう精神を養わんかったら、給食費の滞納問題だとか、本当に個人主義に陥る、そういうものじゃだめだと思うんです。
自由、自由と言うけれども、自由の中には本当に日本人が大事にしてきた公の精神、義務と責任ということをしっかりと教え込まんといかんと思っております。
子どもの権利条約については、発展途上国において子どもが本当に学校にも行けない、そして虐待を受ける、そういう中で守ろうというような中で生まれてきたものでありまして、権利条約、権利条約というけれども、じゃ何が権利条約に抵触しとるかというと、私は一つも抵触してるところはないと考えております。
- 2013.12.16 Monday
- 議会質問
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